昔はというと,写本は,白黒マイクロフィルムで見るのがほとんどでした.
イギリスのボードレイアンしかり,ブリティッシュライブラリーしかり.
インドでも,カルカッタのAsiatic Societyなど,ちゃんと設備があるところはマイクロ.
複製してもらってから,日本に帰ってきて,図書館で自分で見ながら紙で打ち出して,それを製本して使っていました.
しかし,昨今は,デジカメで撮らしてくれるところは,それで作業完了.
そのまま,パソコン上で作業できるようになりました.
しかも,見やすい.
白黒のマイクロだと,黄色だろうが赤色だろうが,全て黒くなるので,赤線引いた最も大事な箇所が見えなかったりしますが,カラーだと,そのような心配がありません.
しかも,解像度のよい写真なら,拡大してもよく見えます.
マイクロの場合,写本が本形式で閉じてあったりすると,真ん中が真っ黒になってしまっていることが多いのですが,その心配も,カラー写真だとありません.
字の小さい貝葉写本の場合,コントラストも問題.
イギリスからマイクロで貰ったものがいくつかありますが,とても読めたものではありません.
線がうっすらと見えるかどうか,という感じです.
ただでさえストレスの溜まる南インド写本,やはり,読むならデジタルのカラー写真です.
楽になったものです.
日本にいると,イギリス在住に比べ,写本のハードルが高かったのですが,いまは,かなりそのハードルも下がってきました.
写本カタログも,結構ネットに落ちていますので,いまや,図書館貧富の差も,かなり解消されてきました.
キャリアの最初から,気軽に写本を参照する,ということが可能になってきました.
文字というのは,やってるうちに何となく覚えるようなもので,別段習うようなものでもないので,使う必要があるときに写本を使う,という姿勢が一番です.
つまり,別段構える必要はない,ということです.
年取ってしまうと新たなことに挑戦しづらくなってしまいますので,やはり,キャリアの最初から写本に親しんでおくのがいいでしょう.
ただし,インドから写本を取ってこい,といっても,初心者には結構ハードルが高いので,最初は周囲に助けられながら,というのが理想です.
タクシャカの首の宝石のようなもので,非常に取得困難な図書館も中にはあります.最初からそんなところに挑戦しようとしても無理ですので,まずは,楽勝なところからいく,というのが基本です.しかし,そのような情報も,上の人に聞かないと分かりませんから,やはり,あらまほしきは先達です.
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- 2017/12/30(土) 12:13:50|
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