Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

received: Series Mahayana Buddhism, Vol. 2

シリーズ大乗仏教2
大乗仏教の誕生
春秋社
2011年12月10日
2800円+税

斎藤明:大乗仏教の成立
下田正弘:経典を創出する
渡辺章悟:大乗仏典における法滅と授記の役割
平岡聡:変容する仏陀
馬場紀寿:上座部仏教と大乗仏教
本庄良文:アビダルマ仏教と大乗仏教
赤松明彦:ヒンドゥー教と大乗仏教
吉水清孝:中世初期における仏教思想の再形成

インド仏教を学ぶのに,まず開くべき書として長く使われてきた講座大乗仏教

その新版

21世紀の劇的なインド仏教研究の進展を映しています

最新の仏教研究の「いま」を伝える書として,これ以上に便利なものは見当たりません

面白いことに,各著者の見方は決して「決定版」といった教科書的な定説をまとめたものではありません

まだ喧々諤々の議論が続く各領域を,その舞台で活躍する一線の論者が覗かせてくれる,そのような趣があります

さながら,大乗仏教研究は「戦国時代」といったところでしょうか

思想史構築の躍動感を伝えてくれます

これまでのありきたりな通俗理解が頁を繰るごとに裏切られる感すらあります

前シリーズの編者は,平川・梶山・高崎

今シリーズの編者は,桂・斉藤・下田・末木

平川→高崎→斉藤・下田という東大印哲の流れ,あるいは,梶山→桂という京大印哲の流れを見ると,一世代から二世代さがった感じです

平川や梶山に顕著なように,かつては一人が広い領域をカバーしていました

各専門家が執筆するとはいえ,或る程度,各論者の手綱を編者が引くこともできたでしょう

しかし現代では,他分野と同じく,細分化が進んでいます

今シリーズの目次を見る限り,編者といえども,各分野をくまなくカバーすることは不可能なはずです

それぞれの専門家に任されている感があります

大乗仏教のこのような多様性・多面性は,学部時代に読んだ教科書的な解説からは想像もつきません

実に刺激的な分野です

学部で習った知識は先生になった時には古くなっている,

その当然の理を思い知らせてくれるシリーズです
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  1. 2011/12/12(月) 20:40:00|
  2. 未分類

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