Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

MHK 9:14

MHK IX 13(川崎ではIX 14)の和訳について,江島1969:893は,脚注4を付して次のように述べています.

これはPrajñāpradīpa Tsha 153b1にも出る。しかもVākyapadīya I. 42 …(中略)…と極似する。中村教授(前掲論文)はこれをVākyapadīyaからの直接的な引用と考えられているが,MHK. の本文となっていることからその推測には多少の疑問が生じる。いずれにしてもSanskrit Manuscriptを見る機会があれば氷解する問題である。(旧字は新字に改めた.)


江島先生はこの段階では,サンスクリット原文を知りません.川崎 1990:411によればMHK原文は以下.

MHK 9:14:
pādasparśād ivāndhānāṃ viṣame pathi dhāvatām/
anumānapradhānānāṃ pātaḥ teṣāṃ na durlabhaḥ//

ヴァーキヤパディーヤの原文は以下.

VP 1:42:
hastasparśād ivāndhena viṣame pathi dhāvatā/
anumānapradhānena vinipāto na durlabhaḥ//

若干の細かい表現の異同はありますが,中村先生のように「直接的な引用」と言ってよいでしょう.「直接的な引用」という表現に引っ掛かるのであれば,「ヴァーキヤパディーヤを受けたものである」とは言えるでしょう.

江島先生は,「MHK. の本文である」から「直接的な引用ではない」という原則を念頭に置いているようです.

しかし,インドの多くの文献の場合,そのようなことは必ずしもいえないでしょう.

良い句があれば,断りもなくコピペするのがインド流です.

また,バルトリハリくらいの大物からの引用であれば,いちいち断らずとも,その場で聞く人は皆「ああ,あれね」と分かったことでしょう.
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  1. 2013/11/15(金) 18:56:26|
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