Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

グヒヤスートラ

『ムーラ』→『ウッタラ』→『ナヤ』の展開は,註釈的な発展です.これに対して『グヒヤ』は補遺として,新しい話題を追加しています.

1. 向成就者(サーダカ,修行者)の種別と成就に用いるリンガの種類
2. リンガの安置(プラティシュター)
3. 成就シッディと実践方法(ヴラタ,誓戒)
4~7. 宇宙論
8. ディークシャーの変化形:異なる地平における一連の祭式
9~11. vyomavyāpinを含むその他のマントラの体系
12~14. 五つのブラフマ・マントラ
15. アンガ・マントラ
16~17. ヴィディヤーと呼ばれる10音節マントラ

大変興味深いことに,『グヒヤ』は,インド密教のクリヤータントラに分類される『マンジュシュリヤ・ムーラ・カルパ』と共通の黒魔術的な儀礼を一部に有しています.表現もよく一致します.シヴァ教と仏教とで共通の成就法の儀礼を持っていたことの証左です.

以上,Goodall 2015:16--20参照.

常識人から見るとかなりエグい黒魔術です.『文殊師利(菩薩)根本儀軌(経)』という漢訳タイトルで見ると何かとっても有難いお経かと思いますが,その中身は,現世利益的な成就を目指す修行者が持つ世俗的などろどろとした欲望に答えようとする現実的な応答からなっています.

これを見ると,「宗教は現実の欲求に答えてなんぼ」「surviveするためには何でもあり」と思わされます.

そもそも,ヴェーダの時代から,儀礼というのはそういうものです.
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  1. 2015/09/22(火) 18:40:41|
  2. 未分類

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