Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

サンスクリット合宿

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写本からテクストを作る作業というのは,かなり孤独な作業です.

鬱になりかねません.

一週間続けて朝から晩までシャーラダー文字,そして,次の週はマラヤーラム文字の写本異独情報を記録する,などという生活をしていると不健康極まりありません.

しかし,そのような地道で孤独な作業なしにエディションを作ることは不可能です.

心のバランスを取るために,やはり,作業を終えた後には,あるいは,途中途中には,人と一緒に読むという作業が重要です.

単にそれは読みを直すというだけでなく,精神的にも重要だということです.

エディションを作る→人と読む→エディションを直す→人と読む……

という作業です.

今回のマヒドン合宿では,現在取り組んでいるニヤマンの校訂本を読み会材料に持っていきました.

皆それぞれが,自分が現在やっている材料を持ち寄って,皆でチェックする.

それが会の重要な趣旨です.

これまで,私が公刊したニヤマンの校訂本も,幾つかは,合宿で読み合わせたものを含んでいます.

人と読むと,やはり,自分が気がつかない点についてコメントが出てくるものです.

そして,校訂本のドラフトに手を加えたり,あるいは,不明点を解決するためにノートを付加したり,という作業をすることになります.

あるいは,英語で教えたりする中で,自分でも「あー,こういう可能性もあるかな」という気付きも出てきます.

そして,何よりも,皆で一緒に同じテクストで頭を悩ますというのは,純粋に楽しい経験となります.

共同というのが楽しいと思えるように人間はできているのでしょう.

協働から,これまで自分が知らなかった分野に興味が湧いてくることもあるでしょう.

若い人の興味・知識を広げ,技量を引き上げるためにも,皆で一緒に読むという作業は,とても重要です.

一番はじめにオックスフォード仲間を中心にサンスクリット合宿をやったとき,中心メンバーは,30歳前後でした.

今回も,若手の中心は同じような年代.

文献学では,サンスクリットの実力も追いついてきて,さらに,自分の興味範囲を広げたり,あるいは,技量を上げるには,ちょうどいい年頃です.

今回は,昔一緒にやったメンバー,そして,今は立派な教授となった友人達の,現在の学生ばかりに囲まれていました.

つまり,これから博論を終えようかという元気いっぱいの院生・ポスドク.

今回の合宿では,ニヤマンは意外に受けが良かったようです.

普段は,カーヴィヤは得意だけど,シャーストラは苦手な人が多く,敬遠されることが多いのですが,今回は,メンバーの背景が少し違っていたこともあるでしょう,ややこしい議論にも,よく付いてきてくれていた気がします.

....というわけで,またまた,孤独な校訂作業に戻らねばなりません.
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  1. 2016/02/25(木) 20:03:43|
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