Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

律文献に登場する女性アンドロイド

月称の『プラサンナパダー』に,「からくり師が操るからくりの乙女」という単語が出てきます.

Prasannapadā §77, p. 214,
vinaye ca --- yantrakārakāritā yantrayuvatiḥ sadbhūtayuvatiśūnyā sadbhūtayuvatirūpeṇa pratibhāsate. tasya ca citrakarasya kāmarāgāspadībhūtā.

MacDonald, p. 179
And in the Vinaya, a mechanical woman (yantrayuvati) made by a builder of [such] devices (yantrakāra), which was empty of a real (sadbhūta) woman, appears to be a real young woman, and became the object of the lust and desire of the painter (citrakara).346



アンは親切に脚注を振ってくれています.律のお話の筋は以下の通り.

MacDonald, p. 179, n. 346の要旨:

1. マディヤデーシャの絵師がギリシャ(イオニア)に行く.
2.機械の女に給仕される.
3.彼女を誘う.
4.彼女が返事をしない
5.彼女の手を引っ張る.
6.彼女がばらばらになる.
7.機械の女と知って恥ずかしくなる.(=恥をかかされる.)
   ....



アンも言及している四百論の対応箇所は以下の通り.上田さんの和訳があります.

上田昇 1994 (『チャンドラキールティ著『四百論注』第一~八章和訳』,山喜房), p. 115:
「或る画工がからくり師の家に泊まった。彼(からくり師)は彼をからかおうと思って、からくりの娘を[部屋に]送った。彼(画工)は、「この侍女は私が好きなように享受するために送られた」と考えて、手を取って引っ張ったので、木がこわれてしまった。彼(画工)はそれを見て非常に驚いた。彼は仕返しのために壁面に自分を自殺したように画いた。それを見て、からくり師は、「ああ、軽率にからくりに触れた画工は驚いて自分を絞め殺した」と思った。」



ギルギットのサンスクリットはさておき,漢文(根本説一切有部毘奈耶藥事,No. 1448 義淨譯,Vol. 24)だと次の箇所に相当します.

T1448_.24.0077a25: 如。佛告諸苾芻。汝等諦聽。非但今時。乃往古
T1448_.24.0077a26: 昔。於中天國。有一畫師。其人因事。往詣餘國
T1448_.24.0077a27: 至已。還向畫師家停。然而主人作一轉關木
T1448_.24.0077a28: 。彩色莊嚴。令其供給看侍。對前而住。客便
T1448_.24.0077a29: 喚曰。來於此眠臥。其木女默然而立。斯人念
T1448_.24.0077b01: 曰。主人發遣此女。看侍於我。即以手挽。其索 画像
T1448_.24.0077b02: 即斷。身手倶散。極生羞恥。便作是念。今者被
T1448_.24.0077b03: 其私裏辱我。我應對衆而爲恥辱。斯人即於
T1448_.24.0077b04: 當門牆上。畫自己身。猶如自絞入門扇後隱
T1448_.24.0077b05: 身而住。主人怪晩日高不起。即往看之。開
T1448_.24.0077b06: 門乃見自絞而死。便作是念。彼人何故自勒
T1448_.24.0077b07: 咽喉。復見木人聚在地上。縁我勝彼由斯致
T1448_.24.0077b08: 死。其國立法。有人死者。先奏王知然後殯



機械仕掛けの女は,「轉關木女」と訳されています.筋書きで整理すると以下の通り.

1.於中天國。有一畫師。其人因事。往詣餘國至已。還向畫師家停。
2.然而主人作一轉關木女。彩色莊嚴。令其供給看侍。對前而住。
3.客便喚曰。來於此眠臥。
4.其木女默然而立。斯人念曰。主人發遣此女。看侍於我。
5.即以手挽。
6.其索画像即斷。身手倶散。
7.極生羞恥。
   .....



絵師の台詞が「來於此眠臥」と直接的なのが笑えます.

スポンサーサイト
  1. 2016/06/22(水) 22:15:47|
  2. 未分類

プロフィール

Aghora

Author:Aghora

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する