Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

ウィルソン

使用する写本のひとつに,Wilsonの名前を冠した写本があります.

自分にとっては,ダイレクトに実物からノートを取ったことがある思い出深い写本です.

朝からボードレイアンに行って,閲覧室に陣取り,写本を注文.

インド系のおばあさんが写本を持ってきてくれます.

机において,一葉ずつチェック,当該箇所を見つけて,それをノートに取っていきます.

昼も遅くなってランチぎりぎりになると,写本を置いて,近くのサンドイッチ屋さんへ.

帰ってくると,「外に出る時は,いったん返してください」とのことで,怒られた記憶があります.

この写本,実物はきれいなのですが,マイクロにするとそうではありません.

表面が平らでなく,また,綴じがきついため,マイクロフィルムにすると,影があちこちに広がっていて,見えない箇所が沢山生じるのです.

また,錯簡がひどく,あちらこちらに同一章のフォリオが飛んでいます.

マイクロで仕事しようとすると,この写本に関しては,相当面倒くさいことになり,また,箇所によっては全く見えないので,絶望するしかありません.

デジタル化が進んで,デジタル画像が手に入るようになり,マイクロでのあれこれの苦労もかなり軽減されるようになりました.

マイクロよりは白黒写真,それよりいいのがカラー写真,さらに,写真でもデジタル.

デジタル化の恩恵というのは,写本仕事にとっては,相当大きいものがあります.

コピー機もなかった時代のインドでは,写本を借りだしたり,あるいは,誰かを派遣して写させたりさせていました.

アディヤルには,そうして作られたであろうトランスクリプトが結構残っています.(マラヤーラム写本からデーヴァナーガリー文字に転写したトランスクリプトなど)

昔のインド,A図書館から写本を借りだした研究者がB大学で仕事していた結果,そのまま借りパクになったものが,B大学の図書館に所蔵されていたりというケースも(結構)あります.

大昔の写本も,半分だけが別の場所に残っていたりとかいうことがありますが,同じような事情でしょう.
スポンサーサイト
  1. 2016/10/05(水) 08:08:02|
  2. 未分類

プロフィール

Aghora

Author:Aghora

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する