Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

received: Kazuo Kano: Buddha-Nature and Emptiness

KazuoKano2016.jpg

Kazuo Kano
Buddha-Nature and Emptiness
rNgog Blo-ldan-shes-rab and A Transmission of the Ratnagotravibhaga from India to Tibet
Arbeitskreis fuer tibetische und buddhistische Studien Universitaet Wien
Wien 2016
Wiener Studien zur Tibetologie und Buddhismuskunde Heft 91




仏教(文献)学者でKazunobu Matsudaを知らない人はもぐりでしょう.

もうひとりのKazも然り.

本著のKazuo Kanoも,いまや,世界的に有名な若手仏教学研究者のひとり.

国内・国外,どこの研究会に行っても,よく顔を合わせます.

私と似たところに出入りしているせいもあり,さらに,彼がより広くworld wideに活動しているせいもあるでしょう.

彼のハンブルク提出博論の一部,研究篇に相当する部分がこれ.

「これ」といっても,16+488で,500頁を超える大部の著.それが,まだ博論の「一部」だというのだから驚きです.

このあと,原典・翻訳篇が控えていますから,あわせると.大変な分量になります.

内容は,高崎先生の研究で日本人には馴染みのあるラトナゴートラヴィバーガ,そのチベットでの古い註釈を中心としたもの.

つまり,インドとチベットをつなぐ結節点となるゴク・ロデン・シェーラプの注を核に,インドからチベットにいたる系譜を追うという,実に気宇壮大な研究です.

本書の目的については,彼自身がp. 12以下でまとめてくれています.

原文は非常に流麗な英語ですが,私の無粋な日本語で直訳すると以下の通り.

本書の目的は,チベットにおける,RGVに関わる註釈伝統の諸発生源を研究することにある.そのために,rNgogによる,最古のチベット語注釈書であるTheg pa chen po rgyud bla ma'i bstan bcos kyi don bsdus pa を研究する.それにより,インドからチベットにいたるRGVの伝承に関する歴史的・教理的背景を明らかにし,また,チベットにおける以後のRGVに関する教理的発展に対するrNgogのインパクトを見極める.……



歴史の順を追って,各種の重要な情報が,本文では読みやすく,そして,脚注では微に入り細に入り,細かく関連情報が記されています.

すごい研究が出たものです.

本邦の仏教学の水準の高さを示す記念碑的な研究として評価されることになるはずです.
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  1. 2016/12/19(月) 08:01:23|
  2. 未分類

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