Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

svasaṃvedya

原田和宗氏によれば,『ニヤーヤバーシャ』に見られるsvasaṃvedyaをディグナーガが自説の「自己認識」に巧く利用したとのこと.

さすが,鋭い指摘です.

原田和宗 1997
「愛欲などの自己認識」
『印度學佛教學研究』46-1,190-193.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ibk1952/46/1/46_1_190/_pdf


個我の性質である楽・苦・欲などは,自内証です.各自,自分の心に問えば「ああ苦しい」という感覚があることは,他人に確かめるまでもなく分かります.各自自分で感じることのできるものです.そのことをNBhでは「自分で感じられるもの」と言っただけのことです.

しかし,これを厳密にとれば,ディグナーガが主張する認識の自証へとつながってしまいます.

ニヤーヤの言説をうまく利用して,彼らの無形象認識論とは逆の有形象認識論を主張するのに巧く利用したということになります.

ディグナーガ,お見事.

そして,決して自明ではないその経緯を感じとった原田氏の嗅覚は鋭い.

「愛欲などの自己認識」というディグナーガの一節から,そこに話が着地するとは,仏教内伝統で問題解決を図ろうとする研究者にとっては,予想外だったことでしょう.

含意を取れば「あなた自身,楽・苦・欲などを「自内証」と認めているんだから,知も自証されるということになりますよ」というわけです.
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  1. 2017/01/09(月) 09:26:16|
  2. 未分類

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