Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

美文学と哲学論書



ラリーは,シカゴでポロックの院生でした.

そのポロックはハーバードでインゴールズに習っています.

いまのアメリカのサンスクリット学,名のある学者の多くがハーバード出身,つまり,インゴールズ弟子です.(日本で言えば,多くの学者を育てた大地原先生がそれに最も近いでしょうか.)

日本からも,原先生を含め,多くの有名な先生方がインゴールズの薫陶を受けています.

ついこの前にイェールでお世話になったグラノフ先生もインゴールズ弟子です.

道理で,押さえている文献の幅が広い.




要するに,ラリーの場合,

インゴールズ→ポロック→ラリー

と次第します.

その学風は,カーヴィヤ(アランカーラ)とダルシャナの両輪にあります.

授業は,毎年交替でやるというスタイル.

ポロックもそうだったとのこと.

つまり,或る年はカーヴィヤかアランカーラ,次の年はダルシャナ,という形です.(私が昔シカゴを訪ねたときも,ポロックの授業では,ちょうど,ミーマーンサーのタントラヴァールッティカを読んでいました.)

カーヴィヤ(美文学)も読めれば,哲学論書も読める,という形です.

ポロックの場合は,特に,アランカーラ(詩論)とミーマーンサー(聖典解釈学)の組み合わせ.

ラリーは,それを更に尖鋭化させたスタイルです.

サンスクリットに隙なし.(あるとすれば,タントラ文献ということになるでしょうか.)

このスタイルは,インゴールズからのようで,ラリーによれば,それ以前はどこに溯るのか分からないとのことでした.

日本では,カーヴィヤも論書もという学風の人は,ごく少ないでしょう.(そういえば,むかし,戸崎先生も,インゴールズのカーヴィヤの授業に出て,授業のスピードにびびったという話をされていました.)

そもそも,本邦においてアランカーラを専門とする人が少ないのも,このスタイルが定着しない遠因のひとつでもあります.

マンマタの『カーヴィヤプラカーシャ』は,昔,試しに授業で教えてみましたが,学生には少し荷が重すぎた感があります.

カーヴィヤを読んだ上で,さらに,その理論を押さえるには,かなりのサンスクリット力が必要です.

カーヴィヤを十分読みこなせる実力がついた上でないと,詩論書を楽しむのはきついかもしれません.

インド学がさらに進化(深化)した現代では,理想的には,サンダーソン,ハル,ドミニク,ソームデーブのように,カーヴィヤ+ダルシャナ+タントラを満遍なく組み合わせるのがいいでしょう.
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  1. 2017/06/04(日) 20:13:18|
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