Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

伝バーサ作『カルナの重荷』解説(6)

6. インドラ扮するバラモンへの耳環と鎧の布施と槍の入手
ちょうどその時,バラモンが布施を乞いに来る.実は,Indra扮するバラモン,Arjunaを勝たせるために,Karṇaが生まれながらにして身に着ける耳環と鎧とを奪いに来たのである.バラモンの威厳に満ちた声を聞き,Karṇaは,高貴なバラモンと推測する.足元にひれ伏したKarṇaにたいしてバラモンは,「長寿たれ」と言うかわりに,「名声が太陽のごとくに永遠たれ」云々と祝福する.Karṇaはバラモンに何が所望かをたずねる.しかしバラモンは,通常の布施では満足せず,Karṇaの提案を次々に斥ける.最後にKarṇaは,もしお望みならば,生まれながらに身につける耳環と鎧とを布施しましょうと提案する.バラモンは喜んで受け取ろうという.Śalyaは留めたが,いったん言った以上,Karṇaはその素性を今や疑いつつも,身から耳環と鎧とを切り取り与える.その後,天の使者が来て,Karṇaに一撃必殺の槍Vaijayantī(Vimalā)を与える.後悔したIndraからの贈り物だという.Arjunaのほら貝を耳にしたKarṇaは,Arjunaとの決戦に向かう.この槍はGhaṭotkacaとの戦いにおいて用いられることになる.(Mahābhārataにおいては,Indraの詐欺事件はそれ以前であり,Ghaṭotkacaとの決闘における槍の使用も,Droṇaの死以前である.)

なお,Mahābhārataにおいて,Indra扮するバラモンがKarṇaに布施を乞う計略は,Pāṇḍava兄弟が亡命中のことであり,大戦中ではない.さらに,Mahābhārataでは,一撃必殺の槍をKarṇa自身が乞うが,Karṇabhāraにおいては,Karṇaは当初,お返しを受け取ることを拒否する.またKarṇaの父である太陽神Sūryaが夢に現れ,Indraの詐欺を警告する場面は,Karṇabhāraには現れない.
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  1. 2017/08/12(土) 09:30:42|
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