Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

伝バーサ作『カルナの重荷』和訳(3)

【そこへ登場するは上に示したとおりのカルナとシャリヤ】

【カルナ】
まず,わたしの矢の道の目標となったが最後,王達が生き残ることがないように.先陣においてクルの人々が喜ぶことをなすであろう,もしかのアルジュナが私に見られたならば.
シャリヤ王よ.かのアルジュナがいるところに私の戦車を向けよ.

【シャリヤ】
承知仕りました.

【促す】

【カルナ】
ああ,なんと,
互いに剣を振り落とすことで体が切られた兵卒・馬・象・戦車のある大戦で,怒れる閻魔のような武勇を持つ私ですら,戦いの時に,心に悲痛がやってくる.
ボーホ,困ったことだ.
以前には,クンティー婦人に生まれ,ラーダーの息子として聞こえた私.
しかし,ユディシュティラを始めとする彼らパーンドゥの息子達は,私の弟なのだ.
これがかの時,次第に輝きを得て,美質の極にある日として,いまや,やってきた.
しかし,私が習った武器は無駄である.しかも母の言により私は止められている.
ボーホ,シャリヤ王よ,私の武器の事情を聞かれよ.

【シャリヤ】
私にもその事情を聞く関心がございます.

【カルナ】
以前のことだが,私は,ジャマドアグニの息子(パラシュラーマ)のもとに行ったのだ.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それで,
稲妻の筋のように黄色く高いドレッドヘアーをいだき,昇る輝きの輪を持ち,斧を手にし,クシャトリヤを滅ぼす最高の聖者,ブリグ家系の旗である[パラシュラーマ]のところに行って,敬礼してから,傍でじっと私は立っていたのです.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それで,ジャマドアグニの息子は,私に祝福の言葉を与えて,尋ねたのです.「あなたは誰か?何のためにここに来たのだ」と.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それで,「尊き方よ,一切の武器を学びたく思います」と私は答えたのです.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それで,尊師は私に言われたのです.「バラモン達には教えるが,クシャトリヤには[教え]ない」と.
 
【シャリヤ】
周知のように,尊師にあっては,クシャトリヤ家系の者達と因縁がありますから.それでそれで.

【カルナ】
それで「私はクシャトリヤではありません」と言って私は,武器の教えを受け始めたのです.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それで,いくばくかの時が過ぎたとき,ある日,果実・根・薪・草・花を取りに,尊き師匠に私は付いていったのです.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それでかの師匠は,森を歩き回った疲れから,私の膝の上で,眠り込んだのです.

【シャリヤ】
それでそれで.

【カルナ】
それで
運命から私の両腿が〈雷の口を持つもの〉という名の虫に切られた時,師匠の眠りが中断されるのを恐れて,その時,じっと痛みを堪えたのです.傷から生じた[血]がぽたぽたと落ちた彼は立ち上がって,たちまち,怒りの火で燃え上がり,悟って,私を呪ったのです.「お前の武器が,いざというときに無駄となれ」と.

【シャリヤ】
彼のお方は,なんと,ひどいことを仰ったこと.

【カルナ】
まずは武器の様子を見てみよう.

【そのようにしてから】
これらの武器は力を失ったかのように見受けられる.しかも,
これらの馬共は,弱って目を閉じ,何度もこけて力を失っている.
そしてサプタチャダ樹のような分泌液に香る象共は,戦場での退却を告げているかのようである.
ほら貝やドゥンドゥビ太鼓も音がしない.

【シャリヤ】
ボーホ,困った.これは一体どうしたことだ.

【カルナ】
シャリヤ王よ.がっかりしても仕方ない.
討たれても天界を得る.しかして勝てば名誉を得る.
いずれも世間において高く評価される.戦闘に無益なことはない.
しかも,
戦いにおいて望みを翻さないこれらの馬共は,ガルダに等しく疾駆する.
栄えあるカンボージャ(カーブル)族に生まれた[馬共]は,たとえ守る必要があるとしても,私を守るように.
牛とバラモン達が不滅であるように.夫に誓う[妻]達が不滅であるように.戦いにおいてひるむことなき兵卒達が不滅であるように.その時が来た私が不滅であるように.これなる私は,ボーホ,心澄んでいる.
パーンダヴァ達の困難な先陣に入っていって,広く知れ渡った諸の徳も高きダルマ王(ユディシュティラ)を縛って,私の最高の矢の流れでアルジュナを倒して,ライオンが討たれた森に入るかのように,楽々と入れるようにしよう.
シャリヤ王よ.では戦車に乗り込もうぞ.

【シャリヤ王】
承知仕りました.
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  1. 2017/08/12(土) 09:40:55|
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