Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

伝バーサ作『カルナの重荷』和訳(5)

【そこへ登場するはバラモンの格好でインドラ】

【インドラ】
ボーホ,雲よ.お前達は,押しとどめて,太陽について行け.

【カルナに近づいて】
ボーホ,カルナよ.大いなる施しを私は乞う.

【カルナ】
尊者よ,とても嬉しくございます.
世間で〈目的成就者〉に数えられるに至った私は,今日,大王達の冠の宝石に彩られた足蓮を持つ.しかして,大バラモンの足の埃で清められた冠を戴くこれなる私カルナが,あなたに敬礼いたします.

【インドラ,自らに向かって】
何と言うべきかな.もし「長寿たれ」と言えば,長寿となってしまおう.もし言わなければ「愚か者」だと私を侮辱する.それゆえ,二つを避けて,なんと言おうか.よし分った.

【声を出して】
ボーホ,カルナよ.太陽のごとく,月のごとく,ヒマラヤのごとく,大海のごとく,汝の栄誉が留まるように.

【カルナ】
尊者よ.なにゆえ「長寿たれ」と仰ってくださらないのですか.いやむしろ,これこそ吉祥.なぜなら,
ダルマをこそ人は努力して成し遂げるべし.蛇の舌のように移ろいやすいのが王権.それゆえ,臣民守護のみを心がけることで,体が討たれても,諸徳は保たれる.
尊者よ,何をお望みですか.何を私は与えましょうか.

【インドラ】
大いなる施しを私は乞う.

【カルナ】
大いなる施しをあなたに贈りましょう.私の威力を聞かれよ.
最高のバラモンよ,滋養ある甘露のような乳流を雨降らし,あなたが喜び,満足した子牛が後をつけ,褐色で,利を求める者がとても望み,清浄である,金の角を設えた千頭の牛を与えましょう.

【インドラ】
千頭の牛だと.僅かの間にミルクを飲み干してしまうわ.[それは]欲しくない,カルナよ.欲しくないのだ.

【カルナ】
あなたは[千頭の牛が]欲しくないのか.次も聞かれよ.
太陽の馬にも等しき王の富の手段,全ての王が認める由緒あるカンボージャ地方生まれ,美徳を有し風のように速く戦いにおいて目覚しい働きが見られた何千頭もの馬を,一度に,あなたに与えよう.

【インドラ】
馬だと.僅かの間に乗りつぶすわい.欲しくない,カルナよ.欲しくないのだ.

【カルナ】
あなたは欲しくないのか.他も聞かれよ.
こめかみには分泌物が流れ蜂たちにかしづかれ,大きな山々のようであり[雷]雲のような深い轟きを有し,敵の軍勢を踏み潰す――白い爪と牙を有す象のこの無数の群れ――を与えよう.

【インドラ】
象だと.僅かの間に乗りつぶすわい.欲しくない,カルナよ.欲しくないのだ.

【カルナ】
あなたは欲しくないのか.他も聞かれよ.無限の黄金を与えよう.

【インドラ】
戴いて行こう.

【少し進んでから】
欲しくない,カルナよ.欲しくないのだ.

【カルナ】
では大地を勝ち得て与えよう.

【インドラ】
大地でどうしろというのか.

【カルナ】
ではアグニシュトーマ祭の果報を与えよう.

【インドラ】
アグニシュトーマ祭の果報が何になろう.

【カルナ】
では私の頭を与えよう.

【インドラ】
恐ろしや,恐ろしや.
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  1. 2017/08/12(土) 09:45:06|
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