Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

ジャイナの食い残し:クマーリラの別・非別論

個物としての牛と,全ての牛に共通する普遍である牛性との関係は何なのでしょうか?

論理学ニヤーヤ・自然哲学ヴァイシェーシカでは,個物と普遍とを「全く別」と考え,しかしながら,両者は分かちがたく結びついているので,結合ではなく,内属という関係を考え,「牛性が牛に内属している」と考えます.

聖典解釈学者クマーリラは,個物と普遍の関係について,内属という関係ではなく,別・非別という関係を立てています.

別と考えても都合が悪かろう,かといって,非別というわけにもいかない,ということです.

牛と牛性とは,別でありかつ非別であるとするのです.(同じことは,牛と白や,牛と進行などにも当てはまります.)

論理学者ジャヤンタは,仏教徒の口を借りながら,次のように論評します.

一者の多様性を矛盾なしと自ら語る者により,私の批判表明の饒舌が取り除かれた.


牛が牛性と別でありかつ非別であるという明らかに矛盾したこと,自家撞着を語る者にたいしては,わざわざ非難するお喋りの手間が省けたというわけです.

ジャヤンタの皮肉はさらに続きます.

同じものが共通性であり,それがそのまま特殊,

同じものが単一で,それがそのまま別,

同じものが常住で,それがそのまま無常,

同じものが存在し,それがそのまま存在しないというのは,

ジャイナの食い残しが語られている.


周知のように,ジャイナは,不定主義を取ります.

「(ある観点からは)Aであり(別の観点からは)Aでない」という相対主義の立場です.

クマーリラの言ってることは「ジャイナの食い残し」だというわけです.
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  1. 2010/02/05(金) 08:00:05|
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