Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

ダルマキールティの結語

ダルマキールティのPVSVといえば,泣く子も黙る強烈な書物です.

『プラマーナ・ヴァールティカ』(PV)は韻文ですが,それの一部に自註(SV)を残しています.

というわけで,『プラマーナ・ヴァールティカ自註』(Pramana-varttika-svavrtti)と呼ばれています.

が,実際には,フラウワルナーが言うように,どうやら,最初にPVSVを書いて,後に,韻文でPVの他の章を書いたようです.

PVSV (PV Iと自註)
PV II, III, IV

ともあれ,若かりしダルマキールティの強烈な自我意識のほとばしる書物です.

尾崎豊のような若さと青臭さ,自負と自信,そして権威への敵意に満ち満ちています.

言いたいことが,文章からはみ出たような文体です.

ある一つの思想を,記憶に残る,覚えやすくキャッチーな詩にまとめる熟練のクマーリラの技巧に比べれば,ダルマキールティの詩は決して覚えやすいものではありません.

むかし,カルカッタに旅行にいったとき,PVSVだけを持って行きました.

毎朝,註釈(PSVST)もなしに,PVSVを裸で読むうちに,次第次第に彼の言いたいことがわかってきました.

さいわい,インドの文献にしては珍しく,校訂もかなり精確なもので信頼できるものです.

ひとまず,テクスト問題を措いておいて読めるというのは実にありがたいことです.

Gnoliに感謝です.(そして,草稿をチェックしたであろうジャンブーヴィジャヤ師にも.)

しかし,最初の数行を理解するのには,えらく時間がかかったのを覚えています.

とりあえず,先を読んで,何度も前に帰って,ようやく理解できました.

決して分かりやすく書かれた散文ではありません.

この点でも,配慮の行きとどいたクマーリラとは全く異なります.

しかし,当然ですが,ちゃんと読めば単独でも分かるように書かれています.

このPVSVの最後は,

以上が,ノータリンな馬鹿さ加減の五つの証拠だ


で締めくくられています.

よっぽどバラモンが憎かったのでしょう.

つまり「このバーカ!」で終わりです.

ザ・スターリンもびっくりのケツまくりの派手な捨て台詞です.

現代にいれば,過激なパンクかラッパーになったことでしょう.

僧院にいたでしょうが,宿坊での相部屋はお断りしたい方です.
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  1. 2010/03/11(木) 08:00:58|
  2. 未分類

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