Pratibhanusarini --- 九州インド哲学ブログ2

On Indian Philosophy and Buddhist Studies

高樹のぶ子と浸るインド!

第9回SIA-DAY
高樹のぶ子と浸るインド!
混沌と不条理
――ヒンドゥー社会の生命・子供・女たち
I部:カーストと文学
II部:結婚と家庭と子供(おやつSIA)
III部:無力な神々

アクロス福岡・円形ホールで,偉く金のかかった講演会でした.

照明,音響はもちろん,舞台装飾もプロ(三宅玲子さん).

インドの植物にインドの神像群,それに大型の水差しのようなオブジェ.

そして,朗読にはRKBからアナウンサー男女二人.

日頃,おんぼろ校舎にエアコンも無いオフィス,新しい校舎といえば安っぽいプレハブ,そして,講義といえば,飛行機が通るたびに声が聞こえない身としては,こんなところにかける金が九大にあるのに,まずは,びっくりです.

あるところにはあるもんです.

スタッフも,やたら,大人数で,ご丁寧にビデオまで回していました.

これから何に使おうというのでしょうか?

休憩時間のおやつは,菓子とサモサ.

それにチャイ.

しかし,チャイが冷たいのにはびっくり.

考えたものです.

おやつのコーディネートは,高樹のぶ子さんの妹さんでした.

1000円の参加料で,資料として渡されたのは,今回の関連の文章がのる『新潮』2010.4月号.

Rajendra Yadavさんの「仔犬」の和訳(高橋明先生和訳).

それに高樹さんの「ニーム」.

まず,サリー姿の高樹さんが登場.

導入としてインドについての紹介.

いろいろと「どうか」と思うような間違いが多々あって,一般人の犯しやすい間違いを再確認しました.

最初は区別されていたヒンディーとヒンドゥーも,最後は一緒になって,何回も「ヒンドゥー語」を繰り返してられました.

たしかに,慣れてないと分かりにくいものなのでしょう.

インドの本屋さんに入った時の写真を紹介.

英文学,ヒンディー文学などなど.

で,ヒンディー文学の時に紹介された写真,デーヴァナーガリー文字の天地が思いっきり逆でした.

デーヴァナーガリーだと線が上にありますから,たしかに逆にしたほうが,日本人としては安定を感じるのでしょう.

ヒンディー文学をもちあげたまでは結構でしたが,南インドのテルグには大した文学がないような理解をされていました.

テルグ主義者が聞いたら激昂するでしょう.

また,当然といえば当然ですが,インドの統計に10年ごとの国勢調査Censusがあることまではご存じなかったようです.

「何に基づいた数字かは分かりませんが」ということで,全部が全部いい加減なものなのだろう,というような理解でした.

インドを旅行したあとでは,たしかに,全部全部いい加減だと思うのかもしれません.


「オートリキシャーですが,初乗り20ルピーです」

と紹介されたのはよかったのですが,映っている写真は,思いっきり,サイクル・リキシャーでした.

S.N. Bazarの写真,そして,ターバンの話,シク教(「シーク派」と言われていましたが...)の話などなど.

女性が額につける印ですが,なんとびっくり,「ヒンディー」だそうです.(正しくはビンディー)

お寺のサルの神様を写真で見せたまではよかったのですが,名前はご存じなかったようです.

ついでに,舞台装飾の神様についても,誰も教えなかったようで,「踊りの神様です」などという適当なものでした.

唯一,ガネーシャだけは言及されていました.

神様の同定というのは,日頃の何気ない習慣で何気なく覚えるものですから,外国人にとっては確かに面倒くさいものです.

日本に来た外国人からしたら,神社も寺も一緒くたなのと似た感覚なのでしょう.

「まあ,何かのヒンドゥーの神様だろう」というようなことになるのは仕方ありません.

あと,タージマハルの川,「ヤナム川」だそうです.(正しくはヤムナー)

たしかに,容易に音韻交代しそうな並びです.

続いて,ヤーダヴさんとの対談のビデオと「仔犬」の朗読.

もう80歳を越したとはいえ,ばりばりと仕事をする眼光鋭いヤーダヴさんのインタヴュー.

聞き手としては力量が問われるところです.

が,あまり噛み合わないままの感じが否めませんでした.

ヤーダヴさんがアグラ出身ということで,「アグラ→タージマハル→イスラム」という連想から,彼の作品との連関があるのかを聞こうとされていましたが,ヤーダヴさんの返答は,「イスラム」を全く無視したものでした.

いっぽうの「仔犬」の朗読は,さすがプロのアナウンサー,そして照明に時々の効果音.

集中して聴けました.

1950年ころの作品だそう――ヤーダヴさん本人も知らない――ですが,問題の本質をつく迫力ある内容でした.

円形ホールは,そもそも,講演用というよりは,舞台で何かを見るような桟敷感覚のいすですから,どうにも,尻が落ち着きません.

あとは,結婚,カースト,ダウリー,代理母,孤児院の問題.

参考文献も大体想像はつきました.

ともあれ,これを聞くと,インドに否定的なイメージしか持てないような問題群ばかりの内容でした.

最後は「これが正しいのか間違っているのか,どう受け止めるかはあなた次第です」

という締め方でした.

この後に続く講義も受けると大学院の単位として認定されるとのこと.

次回の9月のSIAはバリについてだそうです.

いろいろと勉強になる講演でした.

会場は満員,大盛況.

講演会としては大成功といってよいでしょう.
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  1. 2010/03/13(土) 19:56:04|
  2. 未分類

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